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ヒヤリハット運動の展開について

 

安全の確保は、「危険」の防止です。

災害防止のため「先取り安全」が言われています。「先取り安全」には「4S」「危険予知活動」「指差呼称」「作業標準」「点検整備」「疲労防止」「生活指導」などが言われていますが、その中の一つに「ヒヤリハット運動」があります。

「ヒヤリハット運動」は日常作業の行動の中で「ヒヤット」したことや、危険な状態に遭遇して「ハット」した体験を報告しあって、その内容を作業者に知らせて同じ事をしないよう工夫して、安全な職場づくりをしょうとする運動です。

そのためには、「ヒヤリハット運動」展開について、よく話し合って取り組むことですが、運動開始後は次の点に注意してください。

 

1. 早く報告をする…

人の記憶は時間が経つにつれて薄れていきます。「ヒヤリハット」はその日の内に報告することが大事です。

2. 書くのは嫌……

書くことが不得手な人もいます。そのようなときは、責任者が聴いて代筆し、多くの情報を集めることです。

3. 報告書を責めない……

報告した人を責めると次から報告しなくなります。報告の多い人は安全の感受性が鋭く、安全意識の高い人であることを強調することです。

4. 早く知らせる……

「ヒヤリハット」は報告があったら、その内容を早くみんなに知らせ、再び同じことをしないように注意を促すことが必要です。

5. 監督者の姿勢……

1]報告内容は、その場所のみに限りません。職場全体を見直す努力が必要です。

2]作業者のみに注意するのではなく、自分自身の指示・指導不足はなかったかも考え、その対応をしていくことです。

6. 根本原因の排除……

これらのことを考えながら職場のなかに潜んでいる「危険」を浮き彫りにして、根本原因をつかみ一つ一つ解決していくことです。

7. 職場風土づくり……

気楽に話し合える戦場づくりと、報告に対処する「心配り」「やる気」をもって取り組むことが肝心です。

 

ここに記載した「ヒヤリハット」事例は、皆さんの職場でもしばしば体験されるものではないかと思います。これらの事例を数多く集め、それを分析することによって職場の問題点が浮き彫りされると思います。それらを一つ一つ解決していくことによって「危険の防止」が図られ、安全な職場が確立されます。

最後に、報告用紙も参考に添付しましたので、活用してください。

 

 

 

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