次に、得られた実験結果を用い、t2を600sとし、t1を40s〜600sに変化させてCO2回収率と回収したガスのCO2濃度を計算した。図50に、ガス回収終了時間t2を600sとしたときの、CO2の回収率、回収したガスのCO2濃度を示した。その結果、t1が50sの場合には、CO2回収率は73%(目標値は70%)、CO2濃度は74%(目標値は70%)で、両者とも目標に達することが可能であることがわかった。
4) まとめ
CO2の回収を開始するタイミングおよび一定時間後に回収を終了するタイミングを適正に調整する方法を示し、実際に得られた実験結果にこの方法を適用し、最適なタイミングを示した。次に、実機の1/30スケールのCO2ガス分離装置を用いて実験データを収集し、上記の検討結果に基づき計算を行い、CO2回収率と回収したガスのCO2濃度が向上可能であることを示す。さらに、脱着時の真空ポンプによる減圧に要するエネルギーを検討、計算し、システム全体の作動条件の適正化に役立てる。
3. 実機用小型CO2分離装置の試作、および改質装置へのCO2安定供給システムの試作
上述した1/30スケールのCO2ガス分離装置の試作を行った。同装置の正面からの外観および電磁弁を作動させるためのシーケンサーを図51に示す。また、CO2分離装置から出るCO2ガスは、吸着、脱着を繰り返すため、CO2流量は時間とともに変動している。そこで、改質装置へ供給するCO2を一定の流量とするため、改質装置へのCO2の安定供給を可能とするシステムを作製した(図52参照)。
CO2分離装置に接続された一つの真空ポンプは、N2ガス排出用に使用される。CO2分離装置に接続された、もう一つの真空ポンプによって、CO2ガスはCO2吸着剤から脱着、回収される。その後、CO2ガスは、積算流量計(CO2用)を通り、CO2ガスホルダーに一時的に貯蔵される。次に、CO2ガスは流量調整用バルブを通った後、2台のコンプレッサーによって加圧され、ボンベ(ガス圧調整用)によってガス圧が一定にならされて改質装置に送られる。これによって一定の流量で改質装置にCO2を安定供給することが可能となる。
3.3.4 実機用小型CO2分離装置の信頼性評価
模擬排気ガスを使用して、りん酸20%添加炭素吸着剤の耐久試験を行った。図53に、20時間の試験時間内でのCO2回収率の変化を示した。回収率の低下は小さく、20時間後も回収率50%を維持することがわかった。