また、低温でのガス改質率をさらに向上させる方法についても検討しておく必要がある。反応温度が低い場合には、メタン改質率が低くなるという問題があるので、低い温度でも改質反応が進む水蒸気改質についても今後検討を行う。
また、今後、熱交換機能付きガス改質装置を開発するに当たり、触媒を担持した繊維をどのように熱交換部に組み合わせるのか、今後の課題である。
3.2.5 二次試作改質装置の設計試作
1) 目的
天然ガス改質装置の設計に当たり、エンジンやCO2ガス分離装置等を含めたシステム全体のエネルギー収支の計算を行い、ガスの流量、ガスの温度、天然ガス改質率、熱交換効率等を検討し、1/30スケールの改質装置の仕様の検討を行うことを目的とする。
2) 天然ガス改質システムのエネルギー収支の計算
天然ガス改質システム(実機用)のエネルギー収支の計算を行った。図29に、天然ガス改質システム(実機用)のエネルギー収支に関する検討結果を示す。
このシステムでのエンジンは、動力200kW、回転数1500rpmで運転を行う。エンジンから900℃の排気ガスが放出されることを想定し、この熱を利用して原料ガスの加熱および改質を行う。後述するS/T(スチームタービン)から排出される排気ガスの半分(151NL/s)をエンジンの吸気に導入することで、EGRを50%かけることによって、302NL/sの排気ガスをエンジンから得ることができる。改質装置から放出される排気ガスの熱を利用するため、その排気ガスをT/C(タービンジェネレータ、出力35kW、効率85%)およびS/T(出力30kW、効率85%)に通すことで動力を得、この動力を利用してエンジン吸気側のコンプレッサ(42kW、効率85%)を作動させる。S/Tを出たガスの50%はCO2分離装置へ送られ、CO2が回収される。また、S/Tを出たガスの残りの50%はEGRによりコンプレッサーに送られる。
CO2分離装置から得られるガスは、CO2が50%、N2が50%の混合ガスであり、原料ガスとして、CH4が3に対してCO2を7の割合で混合することで、CH4ガスが10NL/s、CO2ガスが23NL/s、N2ガスが23NL/sの流量のガスの混合ガスを原料として用いる。
改質装置では、900℃の排気ガスが302NL/sの流量で入り、584℃で排出される。また、550℃の原料ガスを改質装置に入れ、改質装置内で780℃に昇温し、780℃で改質が行われるとすると、図30の天然ガス改質触媒の性能試験より、75%の改質率が得られることが期待できる。このとき、H2ガスが15NL/s、COガスが15NL/s、CH4ガスが2.5NL/s、CO2ガスが15.5NL/s、N2ガスが23NL/sからなる混合ガスが改質ガスとして得られる。
これらの成分を持つ改質ガスの単位時間当たりの発熱量は、630NL/minの流量の都市ガス13Aの発熱量と同等である。