3.5.3 現状のGPME FL
ここまでの検討と対比して、現状のGPME FLを整理すると次のようになる。
(1) 艤装品表現範囲
GPME FLでは、管艤装だけがクラス設計され、実装されている。これは代表的な艤装品として、サンプル的に構築されたものである。
(2) 関係情報
現状のGPME FLでは、代表例として、管と船殻の貫通関係が表現されているが、関係情報を、艤装設計全体として捉えた再整理が必要である。
(3) 系統と経路の定義
現状のGPMEでは、管艤装FLしか実装されていないが、その範囲に限れば、前にも述べたように、系統や配置の一元化が実現されたクラス構成になっている。モデル設計書の記述によれば、現状業務と同じ「系統があって配置がある」という運用が想定されているので、運用の再検討が必要である。
3.5.4 拡張要件
以上の検討を踏まえて、艤装FL共通機能の拡充要件を、次のように決定した。
1]艤装品表現範囲:
殻艤一体の工程設計の前提となる情報として、全ての艤装品(居住区内装材を除く)を表現できるFLを構築する
2]系統や経路の表現:
GPMEの管艤装FLと同様に、電気艤装・通風ダクト・交通艤装についても、系統や経路と配置の一元化を実現できるFLを構築する
3]関係情報の表現:
艤装設計に有効な関係情報の表現方法を検討して、それらの関係情報を保持できるFLを構築する
FLを「幅方向」と「深さ方向」に拡張する観点から、上記の艤装FL拡張要件を整理すると、次のようになる。
(1) 艤装品の表現範囲拡大に関する拡張(幅方向の拡張)
上記拡張要件の1]と2]に対応する、すなわち、殻艤一体の工程設計の前提となる情報として、FLがカバーする範囲を、全ての艤装分野(居住区内装材除く)に拡大する。その際、電気艤装・通風ダクト・交通艤装については、GPME管艤装FLと同様に、系統や経路も表現し、それらの概念と実配置の一元化を図る。
2]については「深さ方向の拡張」という見方も出来るが、既に表現されている分野を、系統や経路の面で拡張するわけではなく、新規分野の一部として系統や経路も構築することになるので、1]と併せて「幅方向の拡張」として位置付けることとする。