3.3 フレームライブラリ共通機能の拡張
既存CADとのデータ交換、初期生産設計アプリケーション等の、3次元形状表示が必要なアプリケーションにおける形状取得方法の拡張、条材の形状や相対表現等に関する表現能力の向上等に対応して、BFL幾何の機能を次のように拡張した。
(1) データ入出力機能
主に既存CADとのデータ交換に利用する目的で、幾何インスタンスをIGES V5.0形式で入出力する機能を追加したので、船型データを汎用的なIGES形式で用意でき、PMの運用性が向上した。既存のインスタンスImport/Export機能は、PM内の全ての幾何情報をIGES形式データで入出力するが、本機能では幾何インスタンス単位で入出力することが出来る。
(2) 条材、ピラー部材の幾何形状生成機能
断面及び角度指定により、ねじれや端部形状、サイズテーパーを含む条材の形状を生成する機能を追加し、下記の3つの方法によって形状を生成する。
・母面指定による条材形状の生成機能:
取付線に沿って、母面に常に垂直な条材形状を生成する機能
・角度指定による条材形状の生成機能:
取付線に沿って、指定の角度補間式による算出角度分だけ傾いた条材形状を生成する機能
・ピラー部材形状の生成機能:
指定された断面を、取付線に沿ってスイープしたピラー部材形状を生成する機能
(3) 3次元幾何形状表示用データ取得機能
初期生産設計アプリケーションのように、3次元幾何形状を表示する必要があるアプリケーションにおいて、表示用幾何形状データを取得する目的で追加した機能で、幾何インスタンス単位で、形状情報をVRML V2.0形式によって書き出す。
(4) 相対表現幾何形状定義機能
船殻構造形状を相対表現定義する目的で追加した機能で、幾何インスタンスを、ある座標系のXY平面上に2次元定義でき、点・無限直線・有限直線要素もそのように出来る。
(5) 貫通交線部分だけでの部材トリム計算機能
板部材、または区画壁のトリム計算は、従来の機能では、交線全体にわたって行っていたが、貫通交線(トリム面が被トリム面を貫通する交線)部分のみでトリム可能なように、機能拡張した。
(6) 分割線投影処理無し曲面分割処理機能及びトリム計算機能
従来の曲面分割処理及びトリム計算では、指定分割線に対して必ず下記の処理を行っていた。