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また、吸着材回収後の収集ドラム等からのガスの蒸発は継続しているので、ドラム缶等への回収後は直射日光をさけるとともに蓋をしてガスの揮散を防止し、船上に落下した液の洗浄等についても十分な配慮が必要である。

◎油吸着材は、有害液体物質に対して膨潤、融解、伸縮等外観上の変化がなく、また吸着性能は性能基準で示されている吸着材1g当たり吸着重量6gを大幅に超えノルマルヘプタンに対する植物性繊維材の8.2gを除き全て10倍以上の吸着性能を示しており有効な資材といえる。

2]油処理剤による処理

油処理剤は、有害液体物質を海中に分散させる可能性が有り、被害を拡大させる恐れがあるため、原則として、有害液体物質、軽質油に対しては散布しない。

3]油ゲル化剤による回収

軽質油に対するゲル化剤の有効性は判明しており、同系の炭化水素系の物質に対しては、有効なゲル化効果が期待できるものと思われる。

 

有害液体物質のゲル化状態

○:ゲル化する

△:ややゲル化する

×:ゲル化しない

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※2種類の製品について、ゲル化状態を目視観測、またゲル化によって物質表面から輝散するガスの抑止を蒸発減量による評価。

 

4]油回収装置による回収

油回収装置による回収効果は、粘性等から判断して軽質油に対する回収効果とほぼ同様と考えられる。

装置の材質は金属製、石油化学系物質のものがあるため適合性を検討しておくことが必要である。

 

 

 

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