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1]油処理剤散布装置

海上災害防止センターは、これらの問題点を踏まえ、新型油処理剤の開発に併せて油処理剤散布装置を試作した。

その概要は、次のとおり(図−7参照)。

 

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1]油処理剤貯蔵タンク、2]空気供給ノズル、3]油処理剤吐出ノズル、4]散布棹、5]空気ホース、6]散布棹接続ホース、7]油処理剤供給プラグ

図−7 配置図

 

2]試作した油処理剤散布装置の実海域での試験の状況

イ 散布状況

(イ) 散布圧3kg/cm2で4分、2kg/cm2で7分20秒(使用量200リットル)。3kg/cm2では粒径が小さく、風速7m/sで油処理剤の約30%が舞い上がるので、2kg/cm2に圧力を下げて散布した。

(ロ) 風速10m/s、散布圧2kg/cm2では、油処理剤が舞い上がるので、1.5kg/cm2に圧力を下げて散布したが、油面に一部しか届かなかった。これ以上圧力を下げると棒状散布となる。

ロ 散布効果

(イ) 油膜部(色調B〜C)

・油処理剤散布後、油膜は消滅した。

・油膜の一部は風浪により厚くなり、オガクズ状のムース化油塊となるが、このような油膜に対しては、再凝縮を防止するために散布の効果がある。

(ロ) 油塊部

・油塊の表面は油処理剤散布直後より茶色から緑黒色に変色し、ムース化油周辺に小さな油粒子が多数発生した。

・油塊の周囲が油処理剤の散布により分散するため、油処理剤を重ね撒きすれば、油塊に対しても効果がある。

 

 

 

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