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2]海岸付近の漂流油の回収

1月7日船首部分が座礁した福井県三国町雄島周辺の沿岸は、船首部から流出する油と漂流していた油が海岸線に漂着・浮流し、岸線付近の油は雄島橋をくぐり抜け、東尋坊の方向へ南下を続けたため、雄島橋に沿ってオイルフェンスを展張し、油の拡散を防止するとともに、油回収装置等により回収作業を実施した。

イ.油回収装置

石油連盟が所有する2種類の堰式(ウエアタイプ)、回転円盤式(ディスクタイプ)及びビーチクリーナーが使用された。

油回収装置は、海岸線の水深が浅く、波が寄せること、油が高粘度の塊になっていること等から、汀線からドラム缶・ファスタンクヘ送油するポンプとして使用した。

ロ.バキュームカー、ポンプ車等

バキュームカーは、海岸線から直接油を吸い取る又は間接的にドラム缶等から吸い取る場合に活用された。

コンクリート・ポンプ車は、バキュームカーに比べ吸引力は弱いが、吸入配管が長く、荒天時にも遠隔操作が可能であるため、安全に回収作業が実施できた。

3]海岸漂着油の回収

海岸に漂着した油は、主として多数の人の作業によって回収が行われたが、砂浜に漂着した油は、ブルドーザー、バックホウ等の重機により漂着油を集積する方法がとられた。集められた砂混じりの油は、その後油と砂をふるい分けした。

また、固形化した油は、いったん放水により砂混じりの油を水面に流し、水面から油を回収する方法がとられた。

以上のように、海上、海岸全般にわたり、漂流・漂着した油の回収作業が実施され、船舶による海上作業は2月20日に一応終結し、海岸漂着油の回収作業はほぼ4月末に終了したが、引き続き海岸清掃及び海上から又は陸上から隔離され接近できない場所若しくはテトラポット内に侵入した油の除去作業が断続的に7月まで実施された。

 

 

 

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