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Fish氏に「こうしたべンチャー企業の社長は頭が良くて、すばらしい発想を見せてくれるんだけど、変人が多い。彼もその―人だよ。」と前もって言われて、警戒していたのだが、社長のNicholson氏自らが気さくに案内してくれた。Deep Sea Systems International, Inc.は1982年の創立で、Nicholson氏は1984年に重さ20kg、価格3万ドルのMini Roverを発表、世界初の低価格ROVを開発したことで知られている。その後、ROV本体以外にもスラスターやライトといった周辺機器にも、優れたものがある。

ROV本体の主力製品は低価格ROVからMax Rover 2x4というオープンフレーム型ROVに移っている。後述するように、現在Mini Rover MKIIはBENTHOS社が制作していることから、Mini Roverの権利を売り渡したらしい。Max Rover 2x4の形状は、東大生産技術研究所のTwin-Burgerに似ている。質問したが、関係ないとのことだった。大きさは、長さ2.23m、幅0.97m、高さ1.22m、重さ(バラストを含む)795kgであり、2〜3人のスタッフで運行可能である。前進速度3kt、後進速度1kt、上昇速度1.5kt、下降速度1.6kt、最大深度はMK-1が1,000m、MK-2が2,000m、MK-3が3,000mとなっている。経済的で世界中どこでも気軽に使えることを意識して設計したそうで、完成品は既に前の日に中国の上海向けに梱包されていて、製作に取りかかった次の製品はフレーム部分しか見られなかったのは残念だった。順調に売れているよ、とのことだった。

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Max Rover 2x4(Twin-Burgerに似ている)

Max Lightは小型の低価格の水中ライトで、作業深度が3,000m、ガスアークHID (High Intensity Discharge)ランプと標準のクォーツハロゲンフィラメントランプがある。

 

 

 

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