日本財団 図書館


資料3

 

中華人民共和国における電波航法

(China Marine Safety Administration)

 

China Marine Safety Administration(MSA)は海上の安全を担当する機関である。中国の海上安全の法律や他の法律および規則によると、MSAは支配権のある海域の航海の保障と海事の組織運営を行う。この主な任務は海上安全、船からの汚染防止、船による危険物の輸送、海上事故の調査、危険な航行区域の管制、フラグ ステイト コントロール、ポート ステート コントロール、船舶登録、海員免許の発行、光波および電波航法の建設と運用および水路測量である。

現在の中国の電波航法ではロラン―Cとラジオビーコンのディファレンシャル GPSが主である。

 

ロラン―C

中国のロラン―Cシステムは6局の送信局を含む3チェーンで構成される。システムは1984年に建設された。2年間の試験運用で検証と精度の確認を行い、South Sea Chainは1990年に正式な運用になった。East Sea ChainとNorth Sea Chainのプロジェクトの開始は1990年である。これら二つのチェーンは1994年に運用となった。

中国のロラン―Cシステムは単独であり陸上、海上の航法システムとして900乃至1,300海上マイルのレンジがある。ロラン受信機を装備した利用者はカバレージ エリア内で50乃至2,200メートルの位置精度が得られる。

1992年に中国、日本、韓国それにロシアの4ヶ国は極東電波航法サービス(Far East Radionavigation Service,FARNS)の組織が設立され、ロラン―Cとチャイカ局を使用した極東海域の連携した電波航法の建設のため国際的な強力についての契約を行った。FARNSの目的は全ての国の利用者に航行安全を確実にする国際間の関係を幅広く強力にするためである。

FARNSができてから多くの作業が行われた。FARNSのメンバー各国から毎年関係者や専門家が会合を行い、ロラン―Cとチャイカの技術的事項と運用について勉強し、経験の共有を行い、4ヶ国の共通した技術標準を確立した。

機能維持と性能向上に多くの努力が払われ、中国の3チェーンは過去10年間良好な状態で運用されている。3チェーンの信号の信頼度は平均99パーセント以上である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION