そんな私のお祭り好きなキャラクターを利用して、選挙戦の最終日を盛り上げようという思惑だったのだ。
午前8時、温泉街はまだ静けさの中にあった。私は快感のような緊張を感じながら、語り掛けるように第一声を発した。「お集まりの皆様方、おはようございます。いよいよ最終日となりました。連日連夜のご支援、まことにありがとうございます。皆様方の力強いご支援を背中にあびながら、最終日の遊説に出発いたします。」
それから夜の8時まで12時間の長丁場である。午前11時、本部より携帯電話に連絡が入る。「遊説カーの反応は極めて良好。予定通り実行せよ!」