日本財団 図書館


国連海洋法条約は、EEZ又は大陸棚において海洋の科学調査を行なう意図を有する国及び国際機関には、沿岸国に対して条約に掲げる事項について説明を行なう義務を課している33。またEEZ又は大陸棚における科学調査の実施を意図する国及び国際機関は、幾つかの条件を遵守しなければならない34。加えて同条約によれば、EEZ又は大陸棚における科学調査の実施計画を沿岸国に提出した時点から6ヶ月間が経過した後には、調査活動を進めることができる35

 

第三次海洋法会議期間中から既に、国連海洋法条約は将来のEEZにおける利害を有する者の反応とその対応について或る程度正確に規定していた。科学者の中には、自分達の権利が制限されたことについて不満を表わす者もいるが、そのような不満は決して強くなっているわけではない36。EEZに関わる問題は常に困難で、かつ高価につくものである。というのも、それらは解決に時間がかかり、合意の上で海洋の科学調査を行なうためには莫大な費用がかかるからである。しかし、海洋科学は依然として重要であると言うのも事実である。

 

国連海洋法条約は、沿岸海域における資源の所有権については明確に規定しているが、交渉過程において、沿岸海域に以前から利権を持っていた者の権利をどのように取扱うかについて多くの労力が費やされた。富の移転、及びそれに伴い以前からの利権の所有者が自己の権利を回収できないことは十分考えられたが、運輸及び通信に係わる権利を除く、新旧の利権保有者の関係は結局曖昧なまま据え置かれた。

 高度回遊性魚種についての利権を代表する代表団は、第三次海洋法会議において高度回遊性魚の管理は共通の利害を有する者の間での決定に基づき実行されるべきであると強固に主張した。この主張は、国連海洋法条約第64条の「・・・高度回遊性魚の種を漁獲する国は、排他的経済水域の内外を問わず当該地域全体において当該種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、直接に、又は適当な国際機関を通じて協力する。・・・」と、規定されている37。つまり沿岸国は、新たな領域であるEEZ内での高度回遊性魚種に係る権利を、いかなる第三者とも共有することはないのである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION