まえがき
我が国では、多くの地域社会で「魅力あるまちづくり」をめざして、様々な分野に国際的な視点を取り入れ、根付かせることにより、地域社会の国際化を促進し、地域の活性化を図る試みが官民を問わず色々なレベルでなされており、その方策として、海外の異文化と出会い、ふれ合う機会を求めるニーズがますます高まっています。
他方、海外においても、国際社会における日本の地位の向上と相俟って、わが国に対する関心はますます高まってきており、日本の地域の人々やその地域ならではの生活文化と出会い、ふれ合うことを希望する人や団体も多数おられます。そして、その人たちが日本人の生活文化にふれる最良の方法は、訪日による日本の直接体験でしょう。
こうしたことから、当財団は平成10年度から、各地域の文化を交流テーマとした市民レベル、地域レベルの国際交流事業を支援する「地域文化を通じた草の根国際交流支援」事業を開始し、国内の地域文化関係団体と海外のカウンターパートとのマッチングを行い、地域文化をテーマとした国際交流の支援を行っています。
本報告書は、地域文化交流事業運営委員会(委員長:西村幸夫(東京大学教授))から平成11年度の支援対象事業に選定された「黒部まちづくり草の根国際交流事業」の実施結果をとりまとめたものです。
本事業の実施及びそのとりまとめにあたっては、地域文化交流事業運営委員会並びに黒部まちづくり国際交流推進委員会(委員長:島倉敏夫(黒部まちづくり協議会理事))のご指導・ご助言をいただき、また、黒部まちづくり国際交流プロジェクトチームをはじめ、富山県、黒部市、地元の関係団体等多くの方々のご支援・ご協力をいただいて本事業を推進することが出来ました。
ここに、西村運営委員会委員長、島倉推進委員会委員長はじめ両委員会の各委員の皆様並びに地元プロジェクトチームをはじめ、本事業の成功のためにご支援・ご協力をいただいた多くの方々に改めて感謝の意を表する次第であります。
本報告書が、国際交流事業や地域振興事業に係わる方々、あるいは国際交流等に関心のある方々の参考になれば幸いです。
平成12年6月
交通エコロジー・モビリティ財団
会長 大庭 浩