また、国内総生産(GDP)は、1980〜90年の期間は、実質で2.9%、1990〜94年の期間は0.6%の年率で増加している。
公式資料によると、GDP成長率は96年3.3%、97年3.5%、98年3.5%となっている。
農業部門(林業、漁業を含む)は、各自GDPの約3.7%(93年)を寄与し、全労働人口の14.4%を雇用している。
主要作物は、小麦、とうもろこし、ポテト、トマト、ぶどうなどである。
1994年に、小麦、とうもろこしに代わってより価値のある甜菜への転作計画が発表されている。
また、ポルトガル・ワインの生産も重要産業となっている。
農業部門のGDPは、1986〜93年の期間に年率4.4%の割合で増加しているが、90年代中頃には早ばつの被害を蒙っている。
漁業も重要産業の一つであり、特にいわしの漁獲量が多い。
工業部門(鉱業、製造業、建設業、電力業を含む)は、名目GDPの36.0%(93年)を寄与し、全労働人口の31.8%を雇用している。
1986〜93年の期間に、工業部門のGDPは年率3.6%の割合で増加している。
鉱業は、GDPに殆ど寄与しておらず、全労働人口の0.4%がこの部門に従事している。
最も重要な鉱産物は、大理石、花崗岩、石灰石および黄銅鉱である。
製造業のGDPに占めるシェアは25.8%(93年)で、全労働人口の21.7%を雇用している。
製造業における最大部門は繊維工業であり、衣類だけでも輸出総額の約16.0%(95年)を占めている。次いで履物、紙製品、コルクおよび木製品、化学品、電気機器、陶磁器類などである。
製造業のGDPは、1986〜93年の期間に、年率4.1%の割合で増加している。
ポルトガルはエネルギー資源に乏しく、主として輸入石油および水力発電に依存している。
石油・石油製品の輸入は、95年には輸入総額の7.1%に達している。
しかし、アルジェリアからモロッコ・スペイン経由で天然ガス輸送のパイプラインが1997年に開通したため、ポルトガルの石油依存度は大きく軽減されることになった。