(B) 海運事情と保有船主の実態
ポーランドは、バルト海に面した長い海岸線をもち、沿岸にいくつかの港湾があり、主要港としてグダニスク、グジニア、シュチェチンの各港がある。
しかし、これらの港湾のいくつかは、次のような理由によりポーランド海運の発展を妨げている。
デンマーク海峡の幅が狭く、15万DWT以上の船舶の通過ができない、また、ポーランド領海の水域は冬期の気候条件が悪く、バルト海を航行中の船舶は、運航停止を余儀なくされたり、厳寒の凍結時には長期に亘って船舶の動きが封じられることがある。
このため、この海域における主要航路の殆どが、ポーランドに寄港せず通過している。
従って、ポーランドの海運は国際競争力が弱く、利益のあがる大部分はドイツ、イタリアなどの船舶によって行われている。
ポーランドの海運業は、Poliskie Line Oceaniczne社で代表される定期船運航、Polska Zegluga Morska社の不定期船運航、Polska Zegluga Baltycka社のバルト海沿岸航路などを主体としているが、ポーランドの商船隊は過度に老朽化した非能率な船舶が多く、世界的な海運不況と相俟って、企業の採算性に問題が生じている。
このため、バルク・キャリア、一般貨物船を主体にして老朽船や過剰船舶の処分が行われ、98年末の保有船舶は約142万G/Tとなり、92年当時の勢力から半減している。
ポーランドの海運政策は、輸出入貨物の90%を自国船舶で輸送することを目標としており、新造船のみでなく中古船の取得、既存船の近代化、非能率な老朽船の解撤などに対しても助成策を講じ、国内船主に船隊の増強の意欲を高めるよう努めている。
ポーランドの主な船主とその保有船舶の概要は、次の通りである。
1. Euroafrica Shipping Lines Co., Ltd.
(所在地) ul.Energetykow 3/4, PO Box 511, 70-952 Szczecin, Poland
(保有船舶)