(B) 海運事情と保有船主の実態
ブルガリアは、輸出貨物の約52%、輸入貨物の約67%を海上輸送で行っている。
これら海上輸送貨物の約90%が、ブルガリア籍船舶によって輸送されている。
河川輸送は、ブルガリアの北部国境線となっているドナウ川が、黒海から欧州の中心部であるドイツヘ至る最短ルートであるため、ブルガリア海運はドナウ川における国際貨客輸送に従事している。
ブルガリアの世界海運市場への参入は、旧ソ連から供給されたオア・バルクキャリア、自国のVarna造船所で建造されたバルク・キャリアおよびその他各種の不定期船によって行われてきた。
このほか、次のような定期航路を開設している。
黒海〜西欧ライン、黒海〜西地中海ライン、黒海〜中東ライン、黒海〜北アフリカライン、黒海〜極東ライン、黒海〜地中海〜西欧ライン、黒海〜紅海〜ペルシャ湾ラインなど。
かつては、ブルガリアの輸出入貨物の約80%を旧コメコン市場が占め、過去20年以上にわたって運航されてきた黒海航路は、ブルガリア経済に大きな役割を果たしてきたが、その後、旧ソ連の崩壊、コメコン諸国の経済不振等もあり、貿易対象はコメコン諸国からEU諸国へと移行している。
(97年の輸出の43.3%がEU、17.9%がCIS、輸入の37.3%がEU、32.9%がCIS)
このため、世界海運市況悪化と併せてブルガリア商船隊も過剰をきたしており、保有船腹量も、1987年の205隻、155万G/Tをピークに年々減少傾向にある。
ブルガリアにおける、主な海運会社とその保有船舶は、次の通りである。