ブルガリアは、農業国で鉱物資源に乏しく、人口も比較的少なく国内市場が狭小なため、第2次世界大戦後工業化を推進する上で、対外貿易は重要な意味をもっていた。
貿易相手国は、旧コメコン諸国が中心であり、貿易総額の約80%(うち対ソ貿易が約60%)を占めていた。
特に、資源の輸入は旧ソ連に依存し、石炭、天然ガス、コークスの輸入の100%、石油、木材、銑鉄の輸入の80〜90%は旧ソ連からのものであった。
しかし、91年の経済改革により、旧コメコン諸国依存の協力的・援助的貿易から商業ベースによる西側との貿易へと大きく体制が変化した。
このため、政府は国際競争力の強化のための政策推進に努めている。
97年の貿易実績によると、輸出ではイタリア(11.7%)、ドイツ(9.5%)、トルコ(9.0%)などが上位を占め、OECDが58%、EUが43.3%、CISが17.9%となっており、特に外交関係が好転したトルコヘの輸出拡大が目立っている。
輸入ではロシア(28.1%)、ドイツ(11.5%)、イタリア(7.1%)などが上位を占め、OECDが46%、EUが37.3%、CISが32.9%を占めている。
主要貿易品目は、輸出では金属、化学・プラスチック製品、繊維・衣類、皮革製品、輸入では燃料・鉱産品、機械類、繊維・衣類、皮革製品などである。
貿易収支は、95年以来黒字が続き97年は3億8,100万ドルの収入となっているが、98年は輸出不振により赤字が予想されている。
対日貿易は恒常的黒字貿易であり、ワインなどを輸出し、通信機器、乗用車などを輸入している。