貿易関係では、フィンランドの貿易依存度は先進諸国の中でも極めて高く、輸出はGDPの35〜40%を占めている。
90年代当初、旧ソ連市場の崩壊などもあり対外貿易の不振をもたらし、フィンランドの国内経済が停滞した。
その後、通貨(マルカ)のフロート制への移行、マルカの実質的切下げから輸出競争力が強化され、93年の貿易収支は大幅な黒字を計上し、以後順調に黒字幅を拡大し続けている。
これに伴い、経済成長率も伸び97年、98年にはそれぞれ6.0%、5.0%を達成している。
主要輸出入相手国は、ドイツ、スウェーデン、英国、ロシアなどであり、EUが輸出の53.2%、輸入の59.3%を占めている。
旧ソ連市場のシェアが縮小されると共に、近年はアジア諸国への輸出も活発化してきている。
97年の実績をみると、輸出ではドイツ(11.0%)、英国(10.0%)、スウェーデン(9.8%)、ロシア(7.3%)、米国、フランス、また、輸入ではドイツ(14.5%)、スウェーデン(12.1%)、ロシア(7.8%)、英国(7.8%)、米国(7.3%)、日本(5.3%)の順となっている。
主要輸出商品は、紙および紙製品、通信機器、機械類などである。
一方、主要輸入商品は、機械類および輸送機器、鉱物性燃料などである。
なお、対日貿易は概ね赤字貿易となっており、木材・木製品、通信機などを輸出し、乗用車・バス・トラック、自動データ処理機械などを輸入している。