(B) 水運事情と保有船主の実態
ハンガリーは、直接海洋に接していない内陸国であるため、海運業は発達していない。
しかし、国内を流れるドナウ川およびその支流、バラトン湖、ティサ川などの水路を利用した貨客輸送が活発である。
国内における可航水路は延べ約1,700kmに及び、年間貨物輸送量(95年)は約230万トンに達している。
ハンガリーの主要海運会社は、Mahart社と他に1社あるのみである。
Mahart社は、かつては10万G/T近い船舶を擁し、ドナウ川、ラーバ川、ティサ川、バーハ川・ケレシュ川、バラトン湖など内陸水路における貨客輸送のほか、中近東、アドリア海、地中海、欧州などの諸航路に就航していたが、現在は一般貨物船4隻、25,195G/Tを保有しているに過ぎない。