しかし、98年はロシア経済危機や西欧の景気動向等の影響から輸出が伸び悩み、再び赤字幅の拡大が予想されている。
ハンガリーの貿易相手国としては、旧ソ連を筆頭とする旧コメコン諸国がハンガリー貿易総額の50%以上を占めるという関係が永年にわたり続いていた。
しかし、旧ソ連の崩壊によるこれら地域の経済混乱およびハンガリー自体の西側志向などにより、対コメコン貿易は減少を続け、ドイツを筆頭とするEC諸国が遙かに大きなシェアを占めるに至った。
97年には、ドイツが輸出総額の37.3%を占め、オーストリア(11.4%)、イタリア(6.1%)、ロシア(5.0%)が続いている。
輸入も同じく、ドイツ(26.7%)、オーストリア(10.5%)、イタリア(9.5%)、ロシア(7.4%)の順となっている。
主要貿易商品は、輸出が機械・輸送機器(97年輸出総額の45.2%)、その他製品(同35.4%)、食料・飲料・タバコ(同13.0%)などであり、輸入が機械・輸送機器(同42.0%)、その他製品(同40.9%)、燃料・電力(同9.6%)などとなっている。
なお、対日貿易は恒常的な赤字貿易であるが、コンピューター、食料品などを輸出し、自動車、同部品などを輸入している。
ハンガリーに対する経済協力では、日本はドイツ、デンマーク、フランスに次いで第4位となっている。