(3) 造船事情
デンマークは、約580万G/Tの海運力を保有し、かつ造船会社の多くが自国海運企業と経営的に極めて密接な関係にある。
デンマーク最大の造船所であるOdense Staalskibsvaerft A/Sは、同国最大の海運会社 Moller, A.P.を親会社としており、Danyard A/Sも同国の大手海運会社である Lauritzen A/Sの傘下にある。
これらの造船会社は、不況の時期に新造船の優先発注などを通じて直接・間接に親会社から多大の恩恵を受けてしている。
デンマーク造船業も、2次にわたる石油危機以来の長期不況の中で、他の造船国と同じく幾つかの造船所が、閉鎖あるいは規模縮小を余儀なくされてきた。
しかし、他のEC造船諸国に比べ国内需要の喚起などにより、ある程度安定した仕事量を確保することに成功してきている。
最近の10年間の船舶建造実績は、別表の通りであるが、最近は年間50万G/T前後で推移している。