(出所) ロイド統計
(B) 海運事情と保有船主の実態
ギリシャは古くから海の民として知られ、海運業で発達した国である。
ギリシャは三方を海に囲まれ、本土と多数の島嶼を相互に結ぶ航路や、イオニア海とエーゲ海との最短距離を結ぶコリント運河などが、陸上交通網の如く縦横に走り、その地理的条件から内航海運が極めて発達している。
しかし、ギリシャ海運の主体は自国貿易ならびに三国間貿易に従事する外航海運であり、トン数ベースで保有船腹の大部分が外航船舶で占めている。
恒常的に貿易収支の大幅な赤字に悩む同国にとって、海運業による貿易外収入は、観光収入とともに極めて重要な外貨獲得源である。
このため、政府は同国経済の必要上、積極的に海運力発展政策を推移している。
ギリシャは、第2次世界大戦当初575隻、1,835,000G/Tの商船隊を保有していた。
このうち、約150万G/Tは戦争中に喪失したが、戦後数年間に米国からリバティ型貨物船を約100隻購入したのが、復活の始まりとなっている。
その後、世界海運市場の好調につれ、1971〜77年の間にギリシャの海運力は大きく発展し、81年には4,200万G/Tの船舶を保有するに至った。
しかし、その後の深刻なタンカー過剰の影響を受け、ギリシャの大手船主グループの保有船も例外でなく、多数のタンカーが係船されるに至った。
このため、1998年末現在の保有船腹量は、1,545隻、25,224,543G/Tとなっているが、依然として世界第一位の海運王国である。
代表的海運会社としては、Anangel Shipping、Ceres Hellenic Shipping社などである。