(B) 海運事情と保有船主の実態
オーストリアは、中欧の東南部に位置した内陸国であり、海洋に面していないが、ウィーン盆地を貫流しているドナウ川を利用した旅客および貨物の輸送が発達している。
ドナウ川は、ドイツからオーストリアの北東部を横断し、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、ルーマニアなどを経由して黒海へ至る重要な水路として、貨客輸送に重要な役割を果たしている。
1992年に、ライン川、マイン川、ドナウ川の3つの河川を運河が開通し、オーストリアは欧州における重要な貨物輸送センターとなっている。
主な輸送貨物は、石油･石油製品、石炭、コークス、鉄鉱石、穀物、木材、鉄鋼などであるが、石油製品、石炭、コークス、鉄鉱石が全輸送貨物量の約70%を占めている。
ドナウ川水路による貨物輸送量は、次の通りである。
ドナウ川上流およびウィーンと黒海との間に、ドナウ水路による旅客定期航路が設けられている。
また、オーストリア連邦鉄道は、旅客フェリーを保有し、コンスタンツ湖、ウオルフガンク湖などの旅客輸送に従事している。
オーストリアにおける主な海運会社と、その保有船舶は次の通りである。
1. Alpex Schiffsverwaltung - Seetransport Agenture & Warenhandel GMBH
(所在地) Posentaler Street 1, A-9020 Klagenfurt, Austria
(保有船舶)
