フィリピン船級協会(PRS)
フィリピン船級協会(PRS)は、船級付与を目的として、非自航バージを含む、あらゆる種類の船舶、舶用機器の設計、建造、検査についての規則と規格の設定、開発、更新、管理に従事する。PRSは、船級協会に通常求められる業務、すなわちPRS船級取得船舶の定期検査、特別検査の実施と証明書の発行、証明書の有効期限確認、その他フィリピン政府および/または外国政府が認可した法定海事関係業務を行う。
業界が直面する問題と制約要因
国内船主の中古船輸入志向を主因とする国丙建造需要の低迷と金融の逼迫、その他財政面の優遇措置の不在。新造船需要の低迷状況は、過去数年間変わっていない。新造船活動は、内航用の単純な船種の小型船だけに限られている。人件費が比較的低いにもかかわらず、国内建造船は輸入中古船より価格が高い。こういう事情から、船主の選択は中古船の輸入に傾く。それは中古船を輸入する方がリスクが小さく、資本投下額も少ないので、国内建造船を購入するよ,りも魅力的なためである。同時に、MARINAが定めた要件をすべて満たせば、すぐに営業運航を開始できる。しかも、特に新造船のコストと品質について、世界市場における国内造船事業者の競争力の水準には、顕著な改善が見られないように思われる。
新造船部門の要求に対応てきるような関蓮産業の未発遷。造船所は、少なくとも自社使用の資機材の供給については、交換部品メーカーに依存している。発達した先進的関連工業の不在が新造船・修繕船産業の成長を妨げている。フィリピンに十分に発達した関連工業があれば、新造船・修繕船産業が使用する高価な構成部品は、国内生産が可能になる。国内生産を振興すれば、適正な品質と妥当な価格で国内造船所の要請に応えられるような資材や交換部品の国内調達が確保されるほかに、構成部品の直接費という面でも造船所に有利に働くことになる。しかし・造船所用資機材の国内生産振興で利益を得るのは造船産業だけではない。それは国内鉄鋼業の生産拡大にもつながり、鋼材輸入の減少にもつながる。
旧式で陳腐化した設備と、適格な熟練労働力の欠如が、国内造船所の生産牲の向上を妨げている。国内では得られないような高給を提供する外国労働市場の魅力に造船労働者が惹かれる結果、一層深刻化する適格な労働力の流出による労働移動率の上昇が、多数の国内造船所を悩ませている。しかも、高給を払えないような造船所は通常、自社従業員の訓練に無関心な造船所でもある。これらの造船所では、訓練用の機器、設備、教官、訓練指導員が不足し、訓練を充実させるインセンティブもない。造船所の生産性向上を妨げるその他の要因としては、一部の造船所に見られる劣悪で不健康な労働慣行や条件、そして不潔な環境がある。