日本財団 図書館


フィリピン

 

フィリピンの新造船事業と修繕船事業現況報告(1998年度)

 

序論

フィリピンの新造船・修繕船(以下SBSRと略す)部門は、単に自国の海運を支援するにとどまらない。海運活動がさらに活発化するとともに、SBSRの能力に対する需要も拡大が見込まれる。全国の主要な商業・貿易中心地を起点、目的地とする貨物とサービスの総輸送量の約95%が、海上輸送によるものと推計されている。1998年現在、フィリピンの内航船隊は総トン数1,548,727GT、5,275隻から成る。うち約89%は500GT未満の船舶で・500GT超の船舶は594隻に過ぎない。一方、最大のグループを構成する漁船隊は14,064隻から成るが、うち99%は500GT未満の船舶で、500GT超の漁船は69隻に過ぎない。

フィリピンの漁船体は隻数では最大のグループをなすものの、トン数では商船と漁船の総計に対して14%を占めるにとどまる。内航船隊とは別に、フィリピンは290隻の外航船を保有し、その総トン数は5,576,528GTに上る。貿易量と保有隻数を考えると、フィリピンは強力で十分に発達したSBSR産業を維持しなければならない。

業界のプロフィル

MARINA公認のSBSR企業

1998年12月現在、フィリピンでは約264の企業が海事産業局(MARINA)から免許を受けている。これらの企業は、ルソン島に54%、ビサヤ諸島に31%、ミンダナオ島に15%という風に、全国の戦略的位置に立地している。これら企業の所在地を第1図に示す。

これら264社の公認SBSR企業のうち35%、92社が、船舶の建璋、修繕、その他の入渠用の設備を具え、うち22%はルソン島に、6%はビサヤ諸島に、7%はミンダナオ島に位置している。これらの施設は、その設備の建造・受入能力により、大型、中型、小型造船所に分類される。大半造船所は、内航航路や港へのアクセスが容易な地区、特にマニラとセブに位置している。また小型艇建造と船舶解撤事業の免許を受けている企業がそれぞれ31社と1社ある。操業中の企業全体の53%は、洋上修繕業者(沖修理業者)と分類されている。これら公認沖修理業者は修繕用の工具と機械のみを備えていて、造船所から修繕船工事を請け負う。第1表には、事業部門別、地域別にわが国の公認SBSR企業の数を示す。

一方、第2図は新造船・修繕船業界における事業部門別の企業数分布を示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION