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2. 今後の課題

 

過去5年間の事業で約192万通のデータを電子媒体化したが、残り約200万通あまりがまだ電子媒体化されないままである。マイクロフィルムは時間と共に劣化するので、これらのデータを緊急に電子媒体化する意義は大きい。

電子媒体化されたデータは、一般の調査研究に利用されて初めて価値を生む。今後は、世界気象機関の品質管理基準に基づいた品質管理を進め、それらを整備してデータ利用者へ公開することが重要である。

気候を厳密に議論し解析するためには、観測方法の変遷による観測値の系統的誤差、観測値の母集団の差異による誤差、観測値の不均一な時空間分布による統計誤差等の誤差の評価を十分に行うことが肝要である。

気候変動の解明には長期間蓄積されたデータが不可欠であるが、残念ながら1940年代以前のデータが十分ではない。この事業を契機として、国内外の気象および海洋の諸組織が持つ紙ベースのアナログデータが、電子媒体化される動きが加速することを願いたい。

気候環境が台風の発生・発達に与える影響は複雑であり、現時点において気候変動と台風の発生・発達に関する物理的メカニズムの詳細は明らかにされていない。

エルニーニョ現象と台風の発生発達に関する分野の研究の歴史は比較的浅く、大気大循環モデル(GCM)などの数値シミュレーションによる現象解明の取り組みは始まったばかりである。GCMの結果に正確な解釈を与えるため、歴史的なデータを整理解析しておくことが重要である。

 

 

 

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