5-3 今後期待される成果
立体目次が持つ広い可能性は、超領域科学分野における分野整理学に大きく貢献することを示したばかりでなく、社会的な一般事例項目の整理にも十分適用できることもまた明らかになった。
地球環境問題という問題解決策を必要とする超領域科学分野の関連として、海洋科学─海学という一群の中に、海洋環境とか地球環境科学政策(前出3-3-1)あるいは安全性といった現在は殆ど未開拓のグローブ形成や活用があれば、問題解決への貢献が期待されるものとなることは間違いない。(表1、表2)
分野整理手法から一般事項整理としての役目に発展した立体目次の立場は、ビジュアル化を問題にしない多項目処理を進めるプロジェクトが成り立つことを示唆して余りある。また、教育的ないしは心理療法的な志向をも満足させるものであることをも見逃せない。
海洋の研究が典型的な超領域科学であることから、立体目次の考え方は今後ますます多くのグローブ作成作業につながることは間違いなく、ひいては科学の枠を越えて「海学」から海洋観の形成に大きく貢献することが十分に期待される。