3-2 資料の性格
海洋科学というくくりの中に包含されていたり、深い関連を持つ隣接分野、周辺分野を8つの球状体(グローブ)にまとめ、その立体分野地図の基本パターンを制作してみた。海洋科学の占める重みはそれぞれのグローブによって異なり、そこからのシナプスの伸び方も大きく違っているが、最終的には各グローブをそれぞれの共通アイテムで重ね合わせると、全体としてより大きな一つの分野グローブ(分野宇宙のプロトタイプ)となり、そこには海洋科学にまつわる大方の研究分野が分布しているという仕掛けになるよう考慮されている。
拾い出された分野アイテムの多くは、今回は○○学というように学の字が付されたものを主体に、と制限を付けている。研究分野には××論や△△法等の呼び名を持っものも多いが、一応の目安として、分野立体目次の第一作は、限定アイテムとしたのである。
3-2-1 海洋科学の研究分野
海洋学という旧来の分野くくりの名のもとには、海洋底地質学とか海底資源学(マンガン/ジュールやメタンハイドレート等)などの分野は含まれていなかったし、大洋底拡大説とかその延長上に位置するプレート・テクトニクスやプリューム・テクトニクスという発想は存在しなかった。
海洋科学というように包含分野の拡大による分野増とその周辺、関連科学とのつながりによって、海洋科学は従来にも増して複合科学、広域科学、超領域科学の色彩を強めることになった、という特徴が、分野整理学によって判り易くなった。
海洋科学に関わる周辺科学諸分野の基幹分野名を列挙するだけでも、海洋科学の内容の多様性の高さがわかる(順不同)。
海洋生物学、生物海洋学…生物学
海洋物理学…物理学
海洋化学…化学
海洋地質学…地質学
海洋工学…工学
海洋民俗学…民俗学
海洋観測学(法)…観測学、測定学
海洋資源学…資源学
等々となる。このような発想から、海洋科学としてくくることのできる分野を拾ってみて、不思議なことを発見できる。