波浪は外洋では表面波の性質をもち、その進行速度は、波の周期に比例し、波長の平方根に比例する。沿岸に近づくと海底の影響を受け始め、水深が波長に比べて十分小さくなると、進行速度は水深のみにより、水深の平方根に比例するようになる(長波)。そのため、沿岸近くでは波は屈折現象を起こす。岸に平行な等深線をもつ海岸では、斜めに入射したうねりでも、屈折の結果、図I-11のように岸近くでは波の峰線が海岸にほぼ平行になる。また、図I-12に示すように線の凹凸に従って、等深線の形状にも凹凸があると、海岸線の出張ったところに波が集中して高くなり、くぼんだ部分では波が分散しても低くなる。