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2. 情報ネットワーク

「北太平洋亜寒帯循環と気候変動に関する国際共同研究(SAGE)」全般の情報発信は気象庁が担当し、SAGEのホームページ(Web)(http://sage.kishou.go.jp/)を開設している。そのトップページを図1に示す。MENUには、1)実施計画、2)研究者名簿、3)活動状況、4)お知らせ、5)関連リンクの5項目がある。各年度実施計画を記載している1)の実施計画、SAGEに関連する推進委員会や分科会の案内・シンポジウム開催通知等を掲載する4)のお知らせについては、説明を要しないであろう。

2)の研究者名簿は単なる名簿ではなく、4つの分科会(「亜寒帯観測研究」、「循環系相互作用」、「二酸化炭素の挙動」、「モデル化及びデータ管理」)別に、各課題研究代表者のリストを掲載するとともに、研究者毎に設けられているぺージへのリンクの場でもある。ぺージへの書き込み権限は、各研究代表者のみが持ち、研究成果を自由に掲載して一般に公開することができる。また、SAGE研究者相互間のデータ交換にもこのぺージを利用することができるが、このデータ交換はSAGE研究者内に限ることもある。

3)の活動状況の項目を開くと、観測(航海)計画一覧や航海概要報告、過去の関連会議、CD-ROM化された成果プロダクト等のリストが掲載されており、ここから推進委員会や各分科会の活動状況を知るために、それぞれのWebへのリンクできる。「モデル化及びデータ管理」分科会の記事は、海上保安庁水路部海洋情報課:日本海洋データセンター(JODC)が担当しており、航海概要報告の詳細を初め、一般的海洋観測情報を得るには、ここからJODCのWeb(http://www.jodc.jhd.go.jp/)にリンクすることになる。推進委員会の活動報告にはSAGEデータポリシーが記載されている。これは、プロジェクト内でのデータ流通を促進し、国際機関が実施しているデータ交換推進プログラムに協力し、情報公開に対する社会的要請の強まりに対応してデータ公開を活発化するために決められたものである。データ生産者は観測終了後、物理データは1年を目処に、化学・生物データは2年を目処に、JODCに提出することになり、集められたデータはJODCが運用する第4分科会のWebに載せられて、プロジェクト内で有効利用が可能となる。データの利用は、観測終了後3年間はプロジェクト関係者のみに限定し、それ以降は、原則として公開される。

最後の5)の関連リンクでは、以上に述べたリンク以外の関連するWebへのリンクを行う。これは、SAGE参加機関が独自に開設しているWeb、あるいは関連プロジェクトのWebへのリンクである。例えば東北区水産研究所が開設しているSAGEのWeb、気象庁が開設するNEAR-GOOSリアルタイムデータベースのWeb、科学技術庁のWebが含まれる。科学技術庁のWebではSAGEのキーワードからSAGEの国際的な位置付けを知ることができる。

Webを通しての研究成果の公開は、基本的に文章と画像に限られる。海洋観測あるいは人工衛星データの解析値、数値モデルの結果等、大量の数値データを含む研究成果は、別個に気象庁が年度毎にCD-ROM化して参加研究者に配布している(一般には非公開)。

3)の活動状況の項目で述べた、「CD-ROM化された成果プロダクトのリスト」はこれを指す。もちろん、CD-ROM化された研究成果の内、一部の画像ファイルについてはWeb通して一般公開する。

3. データの標準化とデータベースの構築

SAGEでは、水温・塩分等の基礎的データに加え、二酸化炭素関連の化学分析データや、プランクトン等の生物データも重要な要素であり、これらのデータを有機的に結び付けた解析が不可欠である。従来のJODCのデータベースは、主として観測機器・方法毎にファイル化されており、例えば各層系(STD、CTDを含む)ファイルとMBT・XBT系ファイルは別個のものであった。従って、観測機器毎の検索は容易であるが、水温等の観測項目による検索や、観測項目にまたがる情報検索は簡単に行えなかった。

 

 

 

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