北海道周辺海域の海流には、暖流系の対馬暖流とその分枝である津軽暖流・宗谷暖流および寒流系の親潮と東樺太海流があります。一般に暖流は夏季に勢力が強く、寒流は冬季に優勢になります。
対馬暖流
対馬暖流は本州北西岸を大小の蛇行を繰り返しながら北上し、津軽海峡西口付近で流量の大部分が津軽暖流として津軽海峡に流入します。残流はさらに北海道西岸を通って北上し宗谷海峡でその一部をオホーツク海に流入させ、末流はサハリン西岸沿岸にも達します。この暖水の流れは日本海の中でも最も顕著なものです。
この海流は日本海の8〜9割を占める日本海固有水(水温0〜1℃、塩分34.0〜34.1)の上を200メートル程度の厚さで流れ、日本列島から遠ざかるにつれて薄くなります。夏季における流速は1kn内外で、ところによっては1.5kn以上となりますが、冬季の流速は著しく微弱であり混沌としています。
津軽暖流
対馬暖流は、津軽海峡の西口付近で二分して大半は津軽暖流となって津軽海峡を東進します。海峡を抜けてからすぐ南下する場合(冬季に多い)と、襟裳岬の南西方40海里(約74km)付近まで達してから南下する場合(夏季に多い)があり、流速は1〜3knで冬季よりも夏季のほうが比較的強い流れとなっています。この流れには潮位差の大きい太平洋の潮汐と潮位差の少ない日本海の潮汐が大きく影響しており、時刻により流れは大きく変化します。
親潮
千島列島の東側を南西方へ進む親潮は、東経150度〜151度および東経146度〜147度から南下する分枝があります。一部はさらに北海道南岸東部に沿って南西方へ進み、津軽暖流に合流し、東経142度〜143度付近を南下します。
流速は0.5kn内外で、冬季・春季は夏季に比べて流れの勢いが強くなります。