今後の課題
研修での学びを基に大学病院でできる緩和ケアについて考えてみました。ハード面では無理ですが、ソフト面で幾つか活用できることがあります。まず、1]スタッフの意識改革。緩和ケアは決して末期を意味するのではなく、入院時から行われるべきものであるこいうこと。大学病院でも患者さんのQOLを高めるために必要なことで、実現可能であるということを理解してもらう。スタッフの一人ひとりが死生観・人間観・看護観・倫理観をもちケアに当たること。患者さんの生活を重視した見方を育成すること。2]チームアプローチ。医療はチームで行っていることを再確認すること。お互いの立場や役割を尊重し合うことはまだまだ無理な面もありますが、お互いに歩み寄る努力をすること。3]症状コントロール。4]家族ケア。前述のように関わる。ただ十分な時間が緩和ケア病棟のようにもてないので、コミュニケーションとアセスメント技術を磨くことでカバーできるのではないかと思います。また、看護者の身体的・精神的負担が大きくなるので、小原先生の言われたようにcarerの育成あるいは確保が必要であると考えます。上述ができていくことで、緩和ケアにより近づくことができると信じています。どこまでできるかわかりませんが、少しずつ研修で学んだことを還元していきたいと思っています。
おわりに
今回の研修では体験的に学ぶことが多く、自分を再発見することが多くありました。また、緩和ケアを知識・技術・態度と系統立てて学ばせていただけたことに感謝しています。今後、研修で学んだことを基にケアし、患者さんと家族にこの病院で看てもらえて良かったと思ってもらえるように、日々精進していきたいと思います。