現代では、家族関係もとても複雑化しており、そのことも知っておく必要があると感じました。終末期の患者さんの残されたわずかな日々は、家族がずっと側にいたり、患者さんを一人にさせないのが家族であろうと思い込んでいるところが自分自身ありました。しかし、家族にもそれぞれの生活があり、価値観も違うため、それはできなくても普通のことであるということを知りました。看護婦はそのような状況下においては、患者さん、家族が思い残すことがないように、サポートしてあげることが大切なのかと感じました。
また、実習では半年前に婚約者を亡くした方とお話をする機会がありました。婚約者が入院中、そこのホスピスに一緒に住み、会社へも通勤していたということでした。「ホスピスでの生活は楽しかったですよ」とおっしゃっていました。辛いご経験をされたと思いますが、半年たった今でも週1回はホスピスに来られ、ラウンジで一時を過ごされるほど、居心地の良い場所であるのだと思いました。遺族ケアも、患者さんが亡くなってから始まるのではなく、家族ケアからつながっているということを実感することができました。
4) チーム医療の理念を理解し、チームアプローチが実践できる能力を養う
チームアプローチは、緩和ケアをしていく上では必要不可欠であると思います。チーム医療は、チーム全員が目標を明確にして、目標を達成するためにそれぞれの役割を果たすことであると思います。メンバーシップがとれることの重要性を感じます。
おわりに
今回、この研修に参加させていただき、人と人とのぬくもりの大切さを感じ、最後の時まで人間らしい生であるような援助ができることが本当に大切ではないかと思いました。
看護婦は自分を道具にして患者さんに関わる職業であるという点で、常に誠実でありたいと思います。物や人のせいにして、できないということではなく、結局は自分なんだということにも気がつきました。
そして、人と人は共に支え合って生きていくのであり、患者さんに対しても、スタッフに対してもそうありたいと思います。
今後、この学びを自分の病棟において生かせるように努力し、さらに学習を深め、緩和ケアの質の向上に努めていきたいと思います。
最後になりましたが、研修センターの先生方、講師の先生方、聖ヨハネホスピスのスタッフの方々、長い研修に出させてくださった病棟スタッフの方々、どうもありがとうございました。