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おわりに

 

看護婦も死を背負った限界をもつ存在であることを認識しつつ、歴史的人格を持つ患者をケアするとき、看取るとき、決して他の場では体験できない人生の深みを垣間見る。ただ死なずに生きていることと、生きることは同じではない。ホスピスケア/緩和ケアとは、そういった意味で生きる、生き切るためのケアを提供することである。

そしてそこでは看護婦自身の死生観や人生観など生き方が問われ、資質が問われてくる。看護を行うものとして、一人の人間としてどう生きるか、またどう死ぬのか、真の意味を知ることに心を傾けていくことが引き続き私自身の課題である。

 

《引用文献》

1) 山崎 章郎 ホスピスにおけるボランティア参加の必要性とその意味 ターミナルケア Vol.9 No.3 三輪書店 1999 5月号 P167

2) 柏木 哲夫 生と死を支える─ホスピスケアの実践 朝日新聞社 1983 P142

《参考文献》

1) 柏木 哲夫 生と死を支える─ホスピスケアの実践 朝日新聞社 1983

2) 日野原 重明編集 末期患者のクオリティ・オブ・ライフ 中央法規 1988

3) 日本看護協会編 死の看護事例集 日本看護協会出版 1984

 

 

 

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