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第1章 調査研究の概要

 

1. 調査研究の目的

内航海運は、国内貨物輸送量の4割強(トンキロベース)を担う重量・大量・長距離貨物の基幹的輸送機関としてわが国の産業と国民生活に重要な役割を果たしている。しかしながら、経済や物流面における国際的な競争が激化するなかで、内航海運を取りまく環境も厳しさを増しており、国内貨物輸送量におけるシェアも低下傾向をたどっている。内航海運が今後とも活力と魅力のある産業へ発展していくために、平成10年3月、海運造船合理化審議会内航部会の「内航海運船腹調整事業を解消するための方策について」の報告を受け、30年以上にわたって内航海運対策の中核として実施されてきた内航海運船腹調整事業が解消された。そして、平成10年5月からは新たに内航海運暫定措置事業が導入された。これにより、船舶建造の自由度が高まり、船舶の近代化と船腹過剰の解消が進むと思われるが、それと同時に内航海運の経営基盤の強化を目的とする経営改善等の必要性も高まるものと考えられる。

一方、近畿圏は、大阪港を中心とした内航海運が発達しており、タンカーから一般貨物船までの種々の業態の内航運送業者と内航船舶貸渡業者が数多く活動しており、内航海運の主要な拠点となっている。

このような情勢を踏まえて、本調査研究は、近畿圏における内航海運事業者等に対し、内航海運暫定措置事業導入後の進展度、経営基盤の強化等構造改善の進展度などを調査するとともに、今後の課題及びその解消方策について検討したものである。

 

2. 調査研究の進め方

調査研究目的を達成するために、既存資料の収集及び内航海運事業者・内航海運組合、荷主企業に対するアンケート並びにヒアリングを実施し、それらの結果を踏まえて内航海運の課題とその解決方策並びに活性化方策の検討を行った。

調査研究は、次項の「調査研究のフロー」にしたがって実施した。

 

 

 

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