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3. 1998年の地域別概況

 

1998年の国際観光客到着数を地域別に見ると、アフリカ地域が対前年比6.4%増と大幅増を記録した。南アジア地域は対前年比4.1%増を記録したが、97年の同9%増に比べると伸び率は落ちた。東アジア・太平洋地域は、96年には対前年比9.4%増と大幅増を記録したが、97年には同1.1%減とマイナスに転じ、98年には同1.6%減とさらに落ち込んだ。これは、同地域の経済危機の影響で主要観光目的地への旅行者が減ったためである。米州は、96年の対前年比5.7%増から97年には同1.7%増と増加率が落ちたが、98年には同3.2%増と回復した。欧州は96年は対前年比4.4%増、97年が同4.7%増と順調な伸びを見せたが、98年には3%増と伸び率は落ちた。中東は97年の対前年比5.3%増から、98年には同1.4%増と伸び率が低下した。

 

98年の国際観光収入が世界全地域の中で最も大きく減少したのは中東地域(12.2%減)である。次に減少幅が大きかったのは東アジア・太平洋地域(10.2%減)である。アフリカは前年に比べ6.6%増加した。欧州も、97年は0.8%減であったが、98年は3.8%の増加を記録した。南アジアと米州はそれぞれ1.5%、0.9%とわずかに増えた。

 

98年の国際観光客到着数のシェアを地域別に見ると、欧州(60%)が依然、第1位の座を占めている。ただし、70年に比べると8.2ポイント減と大幅にシェアが減少している。第2位には1位に大きく水を空けられた米州(19.3%)が続く(70年より6.2ポイントシェア減)。70年よりシェアが増えている地域の中で、最も増加幅が大きい地域は東アジア・太平洋地域である。70年から98年までの間に10.4ポイント伸ばし、98年には13.6%にまでシェアを広げた。アフリカ地域は70年の1.5%から98年の3.9%へと倍以上シェアを伸ばし、中東地域は1.1%から2.4%へと1.3ポイントシェアを上げた。南アジア地域は0.5%から0.8%へとわずかながら増えた。

 

国際観光収入についても、70年から98年までの間に全世界におけるシェアを最も大きく伸ばしたのは東アジア・太平洋地域(9.5ポイント増)である。欧州、アフリカ、中東の各地域はそれぞれ、9.5ポイント、0.5ポイント、0.4ポイントシェアを落とした。南アジアは0.6%から1%へとわずかながらシェアを伸ばした。米州のシェアは0.5ポイント増にとどまり、ほとんど変化がなかった。

 

 

 

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