出典:世界観光機関(WTO)
Source: World Tourism Organization(WTO)
先進国の国際観光収支バランス(運賃を含む)は、次頁の図表に見られる通り、総じて1989年以降改善されている。先進国の国際観光収支バランスの合計は、89年には赤字の頂点(172億米ドル)に達したが、97年には約2億米ドルの黒字を記録した。
97年の先進国の国際観光収支バランスに大きな影響を与えているのは、ドイツ(300億米ドル)と日本(290億米ドル)の大幅赤字であるが、一方、先進国の半数が黒字を記録した。
開発途上国の国際観光収支バランスは、先進国とは異なり黒字が続いており、80年の46億米ドルから89年には337億米ドル、97年には631億米ドル(95年比では20億米ドルの黒字減)と着実に黒字幅を広げている。80年代後半では黒字がほぼ倍増した。これは、アジア・太平洋諸国(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く)とアフリカ諸国の黒字が大幅に増えたことが主な理由である。97年の開発途上国の国際観光収支の黒字額(631億米ドル)は、開発途上国の経常収支赤字の3分の2以上を穴埋めしている。開発途上国は、全ての地域で過去10年間、観光収支の黒字幅が着実に拡大している。
移行経済国の95年の国際観光収支は赤字であった。これはロシア連邦などからの外国旅行が増えたことによる。97年は逆転し、16億米ドルの黒字を記録した。