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東京国際舞台芸術フェスティバル2000

 

東京国際舞台芸術フェスティバル2000を開催します。これまで隔年で開催してきた東京国際舞台芸術フェスティバルはこれ以降毎年の開催となります。

アート界や社会情勢の速い流れは、2年に1回の開催を許さないところにきています。しかも2000年、2001年と記念すべき年がつづき、それを手をこまねいてやり過ごすことはできません。

東京国際舞台芸術フェスティバルは、2000年以降、これまでの実行委員会による開催を改め、NPO(特定非営利活動推進)法人を結成し、今後恒常的組織としてフェスティバル開催など、多くの有益な事業に取り組む計画です。

NPO法人は、文化=芸術関係者および企業のメセナ関係部署の責任ある立場の方々を核に理事会が構成され、これまでと同様に民間によるフェスティバルとしてより一層の確立をめざそうと考えます。

まずなによりも経済的基盤の整備を成し遂げる必要があります。東京国際舞台芸術フェスティバル事務局員の置かれた経済環境や労働環境はきわめて貧しいものです。法人化により事務局員の安定した経済環境の確立がなによりも必要なことです。労働・経済環境の向上と舞台芸術を専門とする職業人としての誇りは同時に生まれるものです。その上に立って、多様な実験的プログラムを試していきたいと思います。

東京国際舞台芸術フェスティバル2000の最大のテーマは「観客」です。どうすれば劇場により多くの観客に来ていただけるのか、それを考え、企画・実施します。

特に、学生を対象としたプログラムを最重要課題と位置付け、あらゆる手段を駆使し、学生を劇場に慣れ親しんでもらおうと考えています。そのためには、企業の販売促進担当者からのアドバイスを受けるなど、企業の協力を得て、企業から多くのノウハウを学ぼうと考えています。また、大学の先生や都内劇場担当者の理解を得て、ゲネプロ招待や仕込みの見学、バックステージ・ツアーや演出家、振付家との討論会など広くアイディアを募る計画です。

このようなテーマを設定せざるを得ないほど、東京国際舞台芸術フェスティバル事務局の危機意識は強いと言えます。

 

 

 

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