4.2 福井県の場合
福井県では、ナホトカ号事故に際し、5万1,861人(県及び市町村に登録されたボランティアに限る。非登録者等を含む人数は不明である。)のボランティアが災害ボランティア活動を行った。
本節では、福井県庁が主体となってその対応が行われた災害ボランティア活動の概要について取りまとめた。
(1) 県による初期対応
平成9年1月7日、ナホトカ号事故発生の報を受け、福井県では災害対策基本法に基づき、知事が本部長を務める「ロシアタンカー油流出事故に伴う災害対策本部(以下、対策本部と呼ぶ。)」を設置、その対応に当たった。
ボランティアの対応に関しては、県の地域防災計画の規程に基づき、県民生活部文化課が対策本部の一部署である「ボランティア班」となって、それを所掌した。また、三国町、越前町、敦賀市及び小浜市にある県の事務所に「ボランティア連絡事務所」を設置、ボランティア対応のための市町村との調整等に当たらせた。さらに、県内12の市町村に、県が直轄する「ボランティア窓口」を設置、ボランティアの受入れ体制を確保した。
(2) 情報の発信
県はインターネットのホームページ、テレホンサービス等を通じ、逐次、災害ボランティア活動に関する情報発信を行った。
(3) ボランティアの登録
ボランティアの登録は「ボランティア班」、「ボランティア連絡事務所」及び「ボランティア窓口」で行われた。「ボランティア班」が受け付けたボランティア希望者については、登録のみが行われ、実際の出動要請は後日、「ボランティア連絡事務所」から要請があった場合になされていた。
県は既に、平成8年11月から「福井県災害時ボランティア登録制度」を発足させており、ナホトカ号事故が発生した時点で、個人では33人が、また団体では日本赤十字社の「災害救護・赤十字奉仕団」など6団体、約1万6,000人が登録を済ませていた。そのため、県ではこれら登録者に対しても、災害ボランティア活動への参加協力を呼びかけた。