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2.2 解析結果

 

2.2.1 定義

本報告書で使用される語句のうち、特に注意を要するものを次のとおり定義する。

●航海数:ある船舶がある港を出港し他の港へ入港するまでを1航海とする。すなわち、統合動静データ1個につき1つの航海が対応することとなり、1997年の日本の諸港に出入りした航海数は122,051航海となる。

●船舶数:航行した船舶の数であり、同じ船が何航海しても1隻となる。すなわち、1997年に日本に寄港した船舶数は7,463隻であったが、これらの船が複数回航海しているため、航海数は前記122,051航海あったということになる。

●航路:前記「2.1.3」で述べたとおり、本報告書にいう航路は、最短ルートをベースに航海者のノウハウを加味して作成した航路(航行経路)である。

●船種:今回の調査対象となった日本に出入りした船舶の船種は、データの提供元であるLMIS杜によれば全125種(Lloyd's Listで使用されている分類に準拠している。)あるが、ここではそれらを一般的によく用いられる分類として8種に分類した。添付資料1にLMIS社の船種分類と本調査の分類を示す。

●船齢:調査年次(1998年)から各船舶の建造年を減じて算出したものである。

 

2.2.2 日本寄港全船舶の状況

(1) 使用航路及び航行隻数密度

1997年に日本に寄港した船舶数は7,463隻であり、航海数は122,051航海であったが、図2.2-1は、各船舶が採用したと考えられるすべての航路を網羅したものである,1隻の船舶しか航行しなかった航路も、数百隻の船舶が航行した航路も1本の航路線で示されている。また特定の地点の間は、仕向港、仕出港が異なる場合であっても、同一の経路を多数の船舶が航行することとなるが、一本の航路線で示されている。この航路図は陸上でいうところの道路網に相当するものである。ほぼ日本周辺全域にわたって航路が複雑に錯綜して存在している。

図2.2-2は、緯度/経度のそれぞれ0.5度(30分)単位のメッシュに区分し、各区分海域における船舶の航行隻数の密度を示したものであり、船舶がどの海域を多く航行しているかを示すものである。日本周辺の沿岸域が全般的に航行密度が高くなっており、特に相模湾から駿河湾沖及び熊野灘から紀伊水道南方の海域に船舶の航行密度が高い。メッシュ当たりの最大隻数は43,093隻である。

 

 

 

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