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4. 各処理法の実船への適用性と処理可能水量の検討

 

4.1 ミキサーパイプ処理法

前記したように、ミキサーパイプ処理用の処理可能水量は、管内流速5〜6m/sec、流量340L/分、パイプ入り口圧約5kg/cm2(実船の場合は、配管の曲がりや喫水との関係で約7kg/cm2)の条件をクリアーできるポンプが設置されている場合には、現有パイプをそのまま束ねることで、多くすることが可能である。例えば、実船対象とした北米航路のコンテナ船の場合には、内径約40mmの現有パイプを20本束ね、fire,bilge & ballast pumpとfire & G.S. pumpを使用すれば400m3/hrの海水の処理が可能になる。このようにミキサーパイプ処理法の処理可能水量は、現有のパイプをそのまま使用するとしても、かなり応用性が高い。

実船への適用性については、装置の大きさと付帯設備が大きな関与要因になると思われる。ミキサーパイプそのものは、400m3/hrを処理すると仮定すると、図II.4.1-1程度の大きさとなり、直径約1m、長さ約3mの装置を設置することになる。付帯装置に関しても、必要なのは空気注入のためのコンプレッサー(出力、海水流量の7.5%×3連結=90m3/hr)だけである。これら装置の大きさは、現在検討中の他の代替策の装置に比べて小さいと考えられる。したがって、ミキサーパイプの実船への適用性は高いと評価される。

 

 

 

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