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(d) 流速作用実験

表II.2.2-7および図II.2.2-8には、動植物プランクトンに対する流速作用実験結果、表II.2.2-8および図II.2.2-9には、浮遊物質量の変化を示した。なお、実験データは、いずれも粒子サイズ別に取得している。

この実験では、海水流量を170L/min.(パイプ出口流速:2.62m/sec)と341L/min.(パイプ出口流速5.26m/sec)に設定し、流速による効果の違いを検討した。

植物プランクトンでは、主に22μm以上のサイズで流速が速い方が細胞の減少や損傷率が高くなっている。動物プランクトンではさらに顕著で、速い方の損傷率はほぼ100%を記録する。一方、浮遊物質量に関しては、速い方で特に減少率が高いといった結果は得られなかった。これは、浮遊物質量の大部分を占める22μm以下の主要成分が植物プランクトンであり、この実験における22μm以下の植物プランクトンは、損傷率が大きくなっているものの、細胞数としては減少しなかったためである。

これらのことから、流速を速めることによる浮遊物質量の減少は認められなかったものの、生物に対する損傷効果としては、速い方が大きなサイズを主体に作用するといえる。

 

 

 

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