(b) 空気作用実験
表II.2.2-3および図II.2.2-4には、動植物プランクトンに対する空気作用実験結果、表II.2.2-4および図II.2.2-5には、浮遊物質量の変化を示した。なお、実験データは、いずれも粒子サイズ別に取得している。
この実験は、空気を注入せずに10回循環したケースと注入(自給)して10回循環させたケースを比較することで、空気注入の効果を検討した。
空気注入による作用は、空気が海水中に混合することで突起装着管内での海水の流速が増加し、突起への衝突力や突起周辺での乱流速度が速くなり粒子粉砕能力が大きくなることと、比重の軽い空気が突起装着管の中心部を進むことで、粒子を含んだ海水が突起周辺を通るようになり、粒子粉砕確率が高まると考えられる。
実験結果は、植物プランクトンおよび動物プランクトン共に、空気注入の場合においてほぼ全ての粒子サイズで数が減少するか損傷細胞(個体)の比率が増加している。また、浮遊物質量においても、22μm以下のサイズを主体に半分以下に減少しており、空気注入による海洋生物損傷効果が明らかに認められる。