[整備]
1] 弁の開閉状態…一般に弁ハンドルを上方から見て、左に回すと開放され、時計回り(右回り)で閉まるようになっています。玉型弁の場合は、弁自体と弁棒が持ち上げられたり、下がったりするので、弁のしまる位置をマークしておくとよくわかります。
2] 弁を閉にしたときは、振動などで開に戻らぬようハンドルをロープなどで固縛しておくと有効です(開にしていた弁でも振動で閉になることがあるので、そのような緩みやすい弁は固縛しておく必要があります)。
3] スルース弁は楔形の仕切り弁となっているため、強く締め過ぎると、楔効果のために弁と弁座が圧着され、次に開放するとき非常に大きな力がかかりネジの部分を傷めて駒がはずれ、いわゆる棚落ちを生ずることがあります。仕切り弁 (スルース弁)は、弁開閉の目盛板がついていますが、よく注意して正常に作動するように整備しておくことが重要です。
4] 漏油受皿は、油が溜ったままにしておかないようにしておきます。
5] 漏油受皿から、集油タンクまでのパイプの塞りがないようにしておきます。
6] 油水分離器入口のストレーナーは、定期的に掃除します。
(4) 各パイプ及びバルブの識別表示
作業ミスで最も多いのは、パイプ操作ですが、このようなバルブ誤操作を防止するためには、各パイプ及び弁にはっきりした識別表示をすることが必要です。このため、各種パイプ及び弁には、よくわかる位置に用途別に識別塗装するとともに、貨物油系統及び燃料油系統のバルブには、タンク番号を記した標示板(吸入用のものと吐出用のものに色分けすること)を取付けておきます。また、各パイプ系統を色分けし、管系と管系を分離する弁を明示した関係配管図を作成のうえ、見やすい場所(弁の操作場所等)に掲示しておきます。