10 海洋の汚染及び海上災害の防止措置(法第6章)
(1) 大量の特定油が排出された場合の措置
大量の特定油 (原油、重油、潤滑油等)の排出があった場合等の措置として、通報義務、応急措置義務、防除措置義務、協力義務、海上保安庁長官の防除措置命令権、海上保安庁長官の措置に要した費用の負担、海上保安庁長官の防除現場海域からの退去命令権等が定められている。
また、海洋に特定油が排出された場合に必要な措置をとりうる態勢をととのえるため、オイルフェンス、油回収船等の排出油防除資機材の備付けが義務付けられている。
1] 通報義務 (法38)
イ. 船舶から大量の特定油(濃度1,000ppm以上、油分100リットル以上のもの)の排出があった場合又は海難によりそのような排出のおそれがある場合には、当該船舶の船長は、当該排出(海難)があった日時及び場所、排出(海難)の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置(講じようとする措置)その他の事項を直ちに最寄りの海上保安機関(我が国の周辺海域では海上保安庁の事務所)に通報しなければならない。
ロ. 海洋施設その他の施設(陸地にあるものを含む。)から大量の特定油(濃度1,000ppm以上、油分100リットル以上のもの)の排出があった場合、又は損傷その他の海洋施設等に係る異常な現象によりそのような排出のおそれがある場合には、当該海洋施設等の管理者は、当該排出があった(異常な現象が発生した)日時及び場所、排出(異常な現象)の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置(講じようとする措置)その他の事項を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
ハ. 大量の特定油の排出の原因となる行為をしたものは、上記に準じて通報を行わなければならない。(ただし船長又は海洋施設等の管理者が通報を行ったことが明らかなときは、この限りではない。)