なぜ違う ?
春分の日の昼夜の時間
第六管区海上保安本部
「海の相談室」
海上保安庁では、船舶の航海用の資料として「天体位置表」「天測歴」などを発行し、太陽・月・星の位置や日の出・日の入りの時刻などの予報を行っています。
今回は、この中でも私たちの生活に最も関係のある日の出・日の入りについて、春分の日を例に取り上げてみました。
春(秋)分の日は、一般的には昼間と夜間の長さが同じとなる日として知られていますが、実際はどうでしょうか ?
例えば、広島における平成五年の春分の日は三月二十日で、日の出は午前六時十四分、日の入りは午後六時二十二分で、昼間の時間帯は十二時間八分と夜間より長くなっています。この原因は次に述べる日の出・日の入りの定義や光の屈折等によるものです。
日の出とは、太陽の上のへりが地平線上に顔を出した時、日の入りとは、太陽の上のへりが地平線から姿を消した時となっているため、日の出・日の入りともに太陽の視半径分だけ日の出は早く、日の入りは遅くなります(図1)。
また太陽の光が地球の大気を通過する際、屈折するため、太陽が地平線上に昇る以前に見えるようになります(図2)。
このほか、自分のいる場所の高さが高いほど、より早く日の出を見ることができます(図3)。海上保安庁では、眼高(目の高さ)を四・六メートルとして計算しています。
これらの理由で、日の出・日の入りともに約四分程度づつ昼間の時間が長くなっています。