40回を数える記念すべき都道府県対抗なぎなた大会を、この福野町民体育館において、第55回国民体育大会リハーサル大会として開催できますことを、みなさまとともに喜びあいたいと思います。
武道なぎなたは、日本古来の伝統文化として長く受け継がれてきたものでございますが、それは、国の基とされる農業を大切に守り育ててこられましたこの地の方の心にも通ずるものではないかと思いますし、深いご理解のもと本大会の受け入れ、開催に向け多大のご尽力を賜りました富山県及び福野町に深く感謝申し上げる次第でございます。
激動の二十世紀もあとわずか、いま混沌とした世相の中で、「人としてあるべき姿」がさまざまな立場や場面で考えられております。
なぎなたでは、この4月、第2回世界なぎなた選手権大会がフランス・パリ市において開催され、国の内外においてその普及が加速しております。外国の方が、競技性だけでなく、なぎなたを通して、人格形成の道を求める姿には、心を打たれるものがありますが、私どもも、豊かな心の育成に努めてまいりたいと思います。それはまさに、砺波の野に美しく咲き敷くチューリップのように、人の心に潤いを与えてくれるのではないでしょうか。
本日、全国各地より参加されました選手の皆様方には、日頃練磨されました技を遺憾なく発揮され、なぎなたの真髄を発揮されますとともに、大会を通じて友情の輪を広げられますよう願っております。
おわりに、本大会にご協力いただきました諸先生方、ご支援いただきました諸団体、そして溝口町長様をはじめ、福野町実行委員会、地元役員、町民の皆様方の長期にわたるご尽力に対し、厚く御礼申し上げますとともに、明年にひかえました「2000年とやま国体」のご成功をご祈念申し上げ、ごあいさつといたします。
