V 油分散剤と試験油の調合方法
MDPC法による分散剤の性能試験法においては、試験油について「油10gに油処理剤0.4gを加え、十分にかく拌し試験油とする。」としており、試験油を作成する上で具体的なかく拌作方法を明記していないことから、試験油を作成する者によって個人差が生じることのないよう、試験油の調合についてのかく拌方法を調査し、より定量的な試験油の調合方法を確立することとした。
1 調査結果
(1) かく拌方法
調査は、次の4種類のかく拌方法について行うこととした。ここで、それぞれの方法での分散剤(S-7)と油(C重油)との混合量は、MDPC法に規定した「油10gにつき油処理剤0.4g」の割合で、それぞれのかく拌方法に応じて適正な量とした。
イ 手かく拌方式
混合容器をデスカップ(50ml)とし、油10gに分散剤0.4gを加え、ガラス棒(長さ85mm×径6mm)で円周混合を1分間に240回、8の字混合を1分間に100回、上下左右混合を1分間に交互に各50回行うことにより、合計3分間かく拌するもの。
ロ ペンシル・ミキサー方式
混合容器をデスカップ(100ml)のとし、油30gに分散剤1.2gを加え、ペンシル・ミキサー(先端が板状(縦20mm×横7mm。フッ素加工。)でモータの回転数が無負荷で7,000rpmのもの)で、円周混合を5秒間、8の字混合を5秒間、上下左右の混合を交互に5秒間づつ行うことにより、合計20秒間のかく拌を3分間で9回繰り返すもの。
(参考) ペンシル・ミキサー:型番DX。かく拌棒2型。モータートルク8g/平方cm
ハ プ口ペラ方式
混合容器をデスカップ(250ml)とし、油100gに分散剤4.0gを加え、かく拌機のプロペラ(直径30mm。翌の枚数12枚。)を混合油のほぼ中央に入れ、回転数を適宜調整して3分間かく拌するもの。
ニ マグネティック・スターラ方式
混合容器をビーカー(100ml)とし、試験油40gに油処理剤1.6gを加え、かく拌子(長さ30mm×径8mm。楕円形。)をほぼ中央に入れ、回転数を適宜調整して3分間かく拌するもの。