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2 試験結果

(1) 水吸引性能試験

水吸引性能試験の結果を表2-1-1及び図2-1-5に、試験状況を写真2-1-3〜写真2-1-4に示す。

水吸引性能試験は、揚程10m、20m及び30mと水平距離10m、20m及び30mの組み合わせで9ケースである。

試験は、揚程10m及び揚程20mと各水平距離との組み合わせ並びに揚程30mと水平距離10mの組み合わせまでは、作業用ホース先端に取り付けられた「アタッチメント」と呼ばれる吸引装置を水中に差し込み、空気はアタッチメントの2次空気口から取り入れ、特に支障なく水を吸引することができた。しかし、揚程30mと水平距離20mの組み合わせにおいて、試験中、水を吸引することが不能となり試験を中断した。この原因として、アタッチメントの2次空気口からの空気の流入量だけでは、水を空気に乗せて吸引することができないものと考えられた。

このため、空気量を増やすこととし、アタッチメントの先端を水面上にやや浮かせた状態で、2次空気口からの空気とアタッチメントの先端からも空気を吸わせながら試験を再開した。この結果、吸引時間は倍以上となったが、水を揚程30mまで吸引することができた。表2-1-1の揚程30m、水平距離20mの吸引時間は、上記2つの時間を加えたものを測定値とし、吸引性能もこの測定値から求めた。

図2-1-5に示すように揚程が一定で水平距離が長くなるほど吸引性能は低下するが、揚程が20、30mと高くなるほど水平距離による吸引性能の低下率は小さくなる。

一方、水平距離が一定で揚程の変化を見ると、当然、揚程が高いほど吸引性能が低くなる。例として水平距離10mでは揚程10mを100%とした場合、揚程20mでは約57%、揚程30mでは約24%と低下し、目安として揚程10mの1/2及び1/4程度の吸引性能となり、揚程による性能の差が顕著に表れる。

 

表2-1-1 水吸引試験の結果

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