(3) 上下動
オイルフェンスの上下動は、波の上下動によって引き起こされるオイルフェンスの応答(上下動、追随)で、波振幅とオイルフェンスの位相がほぼ等しい時応答性が良い。
波の上下動に対する応答性が悪いと波が通過する時、乾舷部が必要以上に沈み込むこと等が挙げられる。
このようなオイルフェンスは、浮力を大きく(浮体径を大きく)するか、または、オイルフェンスの自重(空中時のオイルフェンス重量)を減らすことが必要となる。
波の上下動に対する応答性のもう一つは、オイルフェンスの縦方向に沿って波が移動する際のオイルフェンスの柔軟性で重要な要素である。図1-3-4は、剛性の高いオイルフェンスと柔軟性の高いオイルフェンスの縦方向に進行する波に対する応答性を示す。
bは剛性の高いオイルフェンスの波の動きに対して応答性が悪く乾舷や喫水の減少の状況を示す。
cは柔軟性の高いオイルフェンスの波の動きに対して追随して応答性が良い状況を示す。
一般にオイルフェンスの柔軟性は、浮体部の長さを短くし、浮体部間に柔軟性の高い織布を使用することで良好となり、応答性も良くなる。
(4) その他の挙動
1) 前後動
前後動は波浪中において発生する。この前後動はカテナリー形状の最深部の中央部分が特に顕著であるが、波高の大きさにより前後動の動きは異なるものの一般的に波高より少ない。
2) スカート部の傾斜及び有効喫水
スカート部の傾きは、曳航位置であるトップテンションとボトムテンションでは傾斜が逆となる。